新経済対策 中小規模の水力発電や地熱発電の開発支援へ 経産省より
石破総理大臣は地方創生を内閣の最重要課題としていて、今月にも決定する新たな経済対策にも地方創生に向けた施策を盛り込む考えを示しています。
こうした中、経済産業省は再生可能エネルギーのうち、中小規模の水力発電や地熱発電の開発が地域経済の活性化につながるとして、新たな経済対策の一つとしてその支援策を検討しています。
このうち中小の水力発電はすでに全国におよそ1800か所あるものの、山間部には開発可能な場所がまだ多く残っているとして、自治体が行う調査費用の4分の3を新たに補助することで調整を進めています。
また地熱発電は国内の資源が豊富な一方で、資源を探り当てるための開発費用が高く、成功率も低いことが課題になっているとして、掘削費用に対する国の助成額全体を上積みする方針です。
政府は2030年度の電源構成のうち、水力発電を現在の7.6%から11%に、地熱発電を0.3%から1%に引き上げる目標を掲げていて、今回の支援を安定した電源の確保にもつなげたい考えです。
下表は、 資源エネルギー庁都道府県別発電実績より作成しました。自然エネルギーのみを選択しました。今回は、「2023/01」と「2021/06」を比較しました。
下図における数値の単位は1,000kWhです。
図―1
図―2
北海道の太陽光発電の値が異常なものとなっています、これは以下の問題を含んでいます。
北海道「釧路湿原」侵食するソーラーパネルの深刻な:天然記念物も生息する日本最大の湿原に異変
図―3
図―4
図―5
図―6
グラフ上の数値は、(単位:1,000kWh)です
バイオマスまたは廃棄物は、専ら又は主として使用する燃料がバイオマス又は廃棄物の場合には、火力発電所の使用する電力量のうち、バイオマス及び廃棄物に係る電力量としています。
このグラフに使用しているexcelデータは ライブラリーできます。
図―7
日本のエネルギー需要は、1960年代以降急速に増大しまし た。それまでは、国産石炭が日本のエネルギー供給の中心を 担っていました。その後、国産石炭が価格競争力を失う中で、 日本の高度経済成長期をエネルギー供給の面で支えたのが、 中東地域等で大量に生産されている石油でした。日本は、安 価な石油を大量に輸入し、1973年度には一次エネルギー供給 の75.5%を石油に依存していました。しかし、1970年代に二 度の石油危機によって原油価格の高騰と石油供給断絶の不安 を経験した日本は、エネルギー供給を安定化させるため、石 油依存度を低減させ、石油に代わるエネルギーとして、原子 力、天然ガス、石炭の導入を進め、新エネルギーの開発を加 速させていきました。その結果、一次エネルギー供給に占め る石油の割合は、2010年度には40.3%と、第一次石油危機時 (1973年度)の75.5%から大幅に低下し、その代替として、石 炭(22.7%)、天然ガス(18.2%)、原子力(11.2%)の割合が増加 することで、エネルギー源の多様化が図られました。しか し、2011年に発生した東日本大震災とその後の原子力発電所 の停止により、原子力に代わる発電燃料として化石燃料の消 費が増え、近年減少傾向にあった石油の割合が、2012年度に 44.5%まで上昇しました。その後、発電部門で再エネの導入 や原子力の再稼動が進んだこと等により、石油火力の発電量 が減少しました。その結果、一次エネルギー供給に占める石 油の割合は8年連続で減少し、2020年度には1965年度以来最 低の36.4%となりました(第211-3-1):図―7 。