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申し送りとは、ある業務に関して、前任者が後任のスタッフにその内容や進捗、指示などを伝えることをいいます。
「申送り」と表記されることもあり、また、申し送る内容は「申し送り事項」と呼ばれます
申し送り事項は、その書き方によってビジネスやチームの運営、業種によっては組織全体の生産性にも影響を与える可能性があります。この記事では、申し送りと引き継ぎの違いや、担当業務で日常的に申し送りを行う職種のチームが効率的に申し送り事項を書く際のポイントと例文を紹介します。
申し送りとは、担当者が変わってもその後の業務が滞りなく進むように行う担当者同士の「情報共有」です。
一方、引き継ぎとは、ある担当者の一定の業務範囲を別の担当者に移行することをいいます。
実際には、会社や部署によって「申し送り」をすることを慣習的に「引き継ぎ」と呼ぶ現場もみられます。しかし、同じことを指しているのに呼び方が複数混在する状況を放置しておくと、組織のなかで混乱が生じて業務がスムーズに進まず、結果的に顧客や取引先に迷惑をかける危険性があるため注意が必要です。
現場で働くスタッフが前述の「申し送り」を実際に何と呼び、どのような内容と方法で実践しているか、またはこれから実践していくかについて、社内での認識を共通にすることがサービスレベルの確保には非常に重要です。
申し送り事項が使われる業種や職種には、事業のサービス提供の対象である顧客(法人・個人)に対して継続的な関わりが必要という特徴があります。
ここでは、そのような業種や職種の例を紹介します。
申し送り事項は、受けた側が理解しやすい形で書くことが最も重要です。
申し送り事項を効果的にまとめる方法と注意点を紹介します。
発信者は誰か・誰に伝えたいのかなどの基本情報を書く。
申し送り事項は、いつの時点の誰から誰への申し送りかを明確にしておく必要があります。
特に、シフト制で複数のスタッフが入れ替わり立ち替わり勤務を行う職場では、申し送り事項を共有すべき対象スタッフとそれ以外のスタッフが「自分に対する申し送りかどうか」の判断を瞬時にできるよう、基本情報を書いておくことが求められます。
申し送り事項は、次の勤務者に確実に対応してもらう必要のある重要度や緊急性の高い事項から、緊急性はないが情報として共有しておいた方が良いと判断される比較的重要度の低い事項までさまざまです。
申し送りの目的を最初に明確にすることで、申し送りを受けた側に自分の行動が求められているのか、情報を頭に入れておくことだけで具体的な行動までは求められていないのかをすぐに理解でき、対応への準備がしやすくなります。
申し送り内容を考えるときは、事実情報のほか、申し送る側の考えや意見、想いといったポイントも整理してましょう。
事実情報を伝えるときは、5W1Hに当てはまる場合はそれを意識して書くと、わかりやすく伝えることができます。
5W1Hとは「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(何を)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」の頭文字をとった言葉で、情報整理をするときに役立つフレームワークです。
また、申し送り内容が何らかの行動を求める場合は、予定されていた状況が発生せずに対応自体が行えない状況が発生したときに備えて、別の対応が必要かどうかについても言及しておくと役立ちます。
表ー1目的・内容 まとめ
業界、業種によって、よく発生する申し送りの内容というものが必ずあります。発生頻度の高い申し送りのパターンで、必要な申し送り項目をあらかじめテンプレート化し、組織内で共有しておくことは、効率よくかつ効果的に申し送り事項を共有するために有効です。
テンプレートには、日付や記入者、申し送り先など、申し送りをする際に毎回書くような項目やフレーズをあらかじめ記載しておくと便利です。また、申し送りの内容が具体的な行動を求めるのか、それとも情報共有のみなのか、申し送りの目的が端的にわかるチェックボックス形式の選択肢をあらかじめテンプレート化しておくと、記入者は最小限の労力で申し送りの内容を作成できます。
テンプレート化しておくことで、人によって書いたり書かなかったりという申し送りのばらつき回避にもつながります。
医療スタッフの方は厚労省:医療スタッフの 勤務環境改善等に向けた取組事例集をご覧ください
以下は、ホテルのフロント業務と介護施設のスタッフの書き方例を紹介します。
申し送りを行う職種では、その業務を毎日繰り返し行っています。毎日行う業務だからこそ、申し送り業務は簡潔かつ必要な情報を適切に網羅している必要があります。
チーム全体の生産性向上と円滑なコミュニケーションの実現のために、申し送り事項を適切な項目の構成でテンプレート化(図ー1、図ー2参照)するとよいでしょう。毎日の申し送り事項を効率的に準備するためのツールになるよう、現場のスタッフ同士でこれまでの経験を生かして意見を出し合い、使用するスタッフ全員が利用しやすいものにすることが大切です。
この記事を参考に、貴社の現場チームに適した申し送り事項のポイントとテンプレート化を検討してみてはいかがでしょうか。
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