正月前に師走
師走(しわす)とは、12月を指す和風月名で、次のような由来があります。
僧侶のように普段は落ち着いている人でも、12月は走り回るほど忙しい月であることに由来する説
- 「歳果(としは)つ」や「為果(しは)つ」が変化したことに由来する説
- 「歳果つ」「為果つ」と呼び慣わされていた言葉が、「しはす」から「しわす」に変化し、師走という当て字で書かれるようになったと考えられています。
- 2025年(令和7年)の干支は「乙巳(きのとみ)」です。
- 乙巳(きのとみ)は、60年周期の干支の42番目で、2025年の干支です。乙巳の「乙」は十干の2番目で「木」の要素を持ち、「草木がしなやかに伸びる様子や横へと広がっていく」意味があります。また「巳(み・へび)」は、神様の使いとして大切にされてきた動物で、脱皮を繰り返すことから不老不死のシンボルともされています。
乙巳の年は、「再生や変化を繰り返しながら柔軟に発展していく」年になると考えられています。具体的には、次のような意味合いを持つ年とされています。
- 正月
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【お正月という言葉の由来】正しい月と書いてしょうがつと読みますが、なぜ正しい月なのか?
中国の秦の始皇帝の降誕月を意味する「政月」が変化して「正月」となったという説、「正」の字の元々の意味としてある「あらためる」という意味から「あらためる月=正月」となったという説もあります。
正月とは本来、その年の豊穣〔ほうじょう〕を司る歳神様〔としがみさま〕をお迎えする行事であり、歳神とは1年の初めにやってきて、その年の作物が豊かに実るように、また、家族みんなが元気で暮らせる約束をしてくれる神様です。
そもそも、私たちの祖先は"全てのモノには命がありなんらかの意味がある"として、作物の生命〔いなだま〕と人間の生命〔たま〕は1つのものであると考えていました。そのため、人間が死ぬとその魂はこの世とは別の世界に行き、ある一定の期間が過ぎると個人の区別が無くなり「祖霊」という大きな集団、いわゆる「ご先祖様」になると信じられていました。
この祖霊が春になると「田の神」に、秋が終わると山へ帰って「山の神」に、そして正月には「歳神」になって子孫の繁栄を見守ってくれているのだと言います。
- 正月に門松〔かどまつ〕やしめ飾り、鏡餅を飾ったりするのは、すべて歳神様を心から歓迎するための準備です。
- 元日?
- 元日(がんじつ)と元旦(がんたん)の違いは、
元日は1月1日の意味ですが「元旦」は1月1日の朝のことをさします。
- 十二支
- 十二支は子(ねずみ)からはじまり、亥(い)まで12種類の動物があります。
子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)・辰(たつ)・巳(み)・午(うま)・未(ひつじ)・申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)・亥(い)
- 門松:かどまつ
- 新年を祝って、家の門口に飾ります。
元々は新年を迎える際に年神様が降りて来る時の目印として木を立てたのが始まりといわれています。
松が飾られるようになったのは平安時代からで、それまでは杉や椿、榊などが使われていたそうです。松は神が宿る木と考えられていたため、めでたい木とされたのでしょう。
鎌倉時代には竹も一緒に飾られるようになりました。
門前の左右一対並べるのが一般的。
玄関に向かって左の門松を雄松(おまつ)、右の方を雌松(めまつ)と呼びます。
本来、門松用の松は「松迎え」といって、家ごとに山へ採りに行っていました。
通常、12月13~28日か30日に飾ります。
29日は「苦立て」、31日は「一夜飾り」といって嫌います。 飾る期間は松の内までですが、地域によってまちまちです。
- 絞め飾り(しめかざり)
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絞め飾り(しめ飾り)は、日本の正月に飾られる縁起物で、悪霊や災厄を防ぎ、神様を迎える準備を整えるためのものです。そのため、絞め飾りにはそれぞれの装飾品に特別な意味が込められています。以下は一般的な絞め飾りにつけられる物とその意味です:
- 稲わら(縄)
意味: 絞め飾りの基本となる部分で、神聖な境界線を表します。悪霊が入らないようにする役割があります。
- 紙垂(しで)
意味: 白い紙を切って作られたもの。清浄さを象徴し、神聖な場所であることを示します。
- 橙(だいだい)
意味: 「代々繁栄」を意味し、家系や子孫の繁栄を祈ります。
- 裏白(うらじろ)
意味: シダの葉で、葉の裏が白いことから、清浄と潔白を象徴します。また、夫婦の和合や長寿を表します。
- 昆布(こぶ)
意味: 「喜ぶ」という言葉に通じ、幸福や喜びを願います。
- 海老(えび)
意味: 背が曲がるまで長生きすることを象徴し、長寿を願います。
- 扇
意味: 開いた形状が末広がりを連想させるため、繁栄や幸運を祈ります。
- 松や竹
意味: 常緑樹である松は不老長寿を象徴し、竹は成長や繁栄の象徴です。
- 干柿や干し柿
意味: 五穀豊穣や金運を祈るために使われます。
- 初日の出
- その年の最初に昇って来る太陽を拝み、1年の幸運を祈るもの。
これは初日の出と共に年神様(としがみさま)が現れるといわれていたからです。
特に、高い山頂で迎える太陽を「ご来光(ごらいこう)」といい、ありがたいものとされています。 山頂近くの雲に映った自分の影が、光の輪を背にした仏像のように見えたためとか。 「ご来迎(らいこう)」との語呂合わせもあるようですね。
この習慣は昔からのものではなく、明治の頃から盛んになったようです。天皇が元日の朝に行う四方拝(しほうはい)という儀式が民間に広まり、年神様を迎えるために家族で過ごし、東西南北を拝んでいました。それが初日の出を拝むという習慣になったといわれています。
2024 初日の出スポットの時刻表
- 初詣:はつもうで
- 年の初めに神社仏閣にお参りして、1年の無事息災を祈ること。
大晦日の除夜の鐘を聞きながら家を出て、元旦にお参りすることを「二年参り」といいます。
参拝は神社でもお寺でも構いません。 日本古来の神道には「氏神さま」という考え方があり、初詣は地域の神様にお参りするのが良いとされています。 しかし、決まりではないので、ご利益別に複数の寺社を回ってもOK。
昔は、一家の家長が大晦日の夜から神社に出掛けて、寝ないで新年を迎える習わしがあったそうです。 元々は地域の氏神を祀っている神社にお参りしていたようですが、やがてその年の恵方にあたる神社に出掛ける「恵方参り」になったそうです。
現在は恵方参りに限定せず、各地の神社にお参りするのが一般的になっていますね。 松の内(1月7日)までに参りましょう。
※ 江戸時代には初詣という習慣はほとんどありませんでした。意外ですね。
庶民の間では、初日の出を見に出掛けることの方が好まれていたようです。
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- お年玉
- 現在のお年玉はお金が主流ですが、もともとはお餅でした。でも、単なるお餅ではありません。なぜならそれは、「魂」を象徴するものだったからです。魂なんていうとビックリしますが、生きる力、気力を意味するものだと思ってください。昔は、年の初めに年神様から新年の魂を分けていただく、つまり、毎年一年分の力を授かると考えられていたのです。