パソコンの買い替えサイクルは何年が適正か?




パソコンの買い替えサイクルは何年が適正か?

~企業の利用実態とこれからの入れ替え期間の最適解~ (「横河レンタ・リース株式会社」レポートより)
目次

  • データで見るパソコンの利用期間
  • パソコン選定に求められる環境変化
  • パソコン寿命と快適な利用期間
  • 買い換えに潜む3つの壁と解決策
  • まとめ

リモートワークの活用が進むビジネスにおいて、パソコンがあれば場所を問わずどこでも仕事ができる環境づくりに取り組む企業が急速に増えています。 Windows 7 のサポートが終了し、Windows 10 への移行が完了した 2020 年。その直後に発生した新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言直後に、リモートワークの検討が必要となりノートパソコンへの買い替えを迫られる企業も多かったでしょう。さまざまな社会情勢の変化・ワークスタイルの変革や技術革新などから最適なパソコンの姿は変化していくということを実感した年でした。
今後リモートワークに適したパソコンが次々と投入され、さらに 5G、最新無線 LAN 技術にも対応したパソコンは生産性を大きく向上させてくれることでしょう。
ビジネス環境の変化、技術革新が起きるなかで、本資料ではあらためて企業におけるパソコン買い換えサイクルを検討していく上でのポイントをお伝えしていきます。

◆データで見るパソコンの利用期間

各企業のパソコンの買い替えサイクルについて、従業員数 1000 人以下の企業を対象に実施したアンケート結果をご覧ください。企業によってさまざまな期間で入れ替えを行っている中で、最も多かった回答が「5 年に 1 回」、「パソコンが故障したタイミングで実施」となり、5 年以上利用する割合が全体のおよそ 7 割、4 年以内が 3 割という結果となりました。

出典:MM 総研 「パソコン導入における DaaS (デバイス アズ ア サービス) の 利用意向および普及予測調査」
これらの回答結果は、企業の従業員規模やパソコン保有台数によっても異なります。
特に 100 人未満の中小企業においては、故障したタイミングや資金に余裕がある時に実施する比率が比較的高く、パソコンの買い替えサイクルそのものを定義していないという傾向があります。1000 人に近い企業においては 3 年~5 年での買い替えサイクルで運用されている企業が多いようです。企業規模による違いはパソコン調達予算や情報システム部門の人員などにも影響があるものと推測されます。

◆パソコン選定に求められる環境変化

ここ数年でパソコン環境が大きく変わった代表例として Operating System(OS)の存在があります。企業のパソコン環境がおおむね Windows 10 へ移行し、さまざま生産性向上機能を日々利用されていることでしょう。従来の Windows 7 までは、次の OS までの期間が明確に定義されており、ある意味では一つのリプレース期間の目安になっていたのではないでしょうか。
しかし、Windows 10 では最後の OS と言われるように、Windows 10 以降の OS は出る予定はなく、1番の特性は Windows 10 のまま機能を進化し続ける点にあります。“Windows asa Service”という概念に基づき、常に Windows 10 を最新の OS として利用できるようにするために、継続的なアップデートが提供されていきます。このアップデートは小さなアップデートではなく新機能を有する大型なアップデートとなり、これらは 6 カ月ごとに年 2 回発生していきます。OS がアップデート“進化”するということは、それに対応するパソコンスペックが求められます。古いスペックであればあるほど、動作が遅くなり、トラブルの原因になるリスクをはらんでおり、一定のスペックを維持していくこともWindows 10 には必要な要素となります。

これらの対応は大企業を中心に対策を講じている企業も多く存在し、アップデートサイクルを管理するソリューションを活用し、パソコンの買い替えサイクルを早め安定的な動作を維持する対策も実施しています。
※詳しくは Windows 10 ガイドブックをご覧ください。
次に考えていく環境変化と言えば、パソコンを利用したオンライン会議の普及でしょう。もちろんスマートフォンなどで実施することは可能ですが、ビジネス上においては資料の画面共有や複数人でのコミュニケーションが必須条件となり、引き続きパソコンでの利用が一般的であると考えます。
オンライン会議ツールにおいては、Zoom、Microsoft Teams、Google meet などさまざまなツールが使われており、社外でのオンライン会議なども増えている中では、多種多様なオンラインツールに対応できるパソコンスペックが求められます。特に映像を処理する上ではパソコンスペックに依存することになり、映像や資料を共有しバーチャル背景機能などを利用する上では、中央演算処理装置(CPU)、グラフィック機能が求められます。これらのスペックが不十分ですと、映像が遅延を起こし固まってしまうなどのトラブルが発生するため、映像を切って対処している方もいらっしゃるのではないでしょうか。クリアな映像を映すうえでは、高性能なカメラやマイクに対応する機能も必須となります。
Windows 10 に入れ替えたばかりという企業も、スペックの低いパソコンやデスクトップ型の場合、既に利用が厳しいという話もあります。オフィス内での事務処理用途だけではなくOS のアップデートやリモートワークに対応したパソコンスペックの維持が必要となってきます。

◆パソコン寿命と快適な利用期間

パソコンの製品寿命はどれくらいでしょうか。横河レンタ・リース株式会社はパソコンレンタル会社として 100 万台のレンタル資産を保有し、調達コスト、運用コストを抑え仕入れをしている、いわばパソコン調達やその後の運用コストに関しては専門領域です。
ここではパソコンの製品寿命と機能寿命という二つの側面でみていきます。
製品寿命の面では、当社の指標の一つでもあるメーカー保証について解説していきます。
メーカーは 1 年間や 3 年間など標準保証期間(原則自然故障は無償修理をする期間)を付けて販売しています。多くのメーカーは製造過程に品質試験を設けており、お客さまが安心して快適にパソコンを利用できるよう品質維持に努めています。筆者もお客さまへパソコンの提案をしていた際には、**メーカーはトラブルが多く痛い目にあった、よく壊れるからうちでは選定対象から外す、という声を多く聞きました。(実際には、利用するソフトウエアなど利用環境との相性が故障原因になることもあります。)
標準保証期間をさらに有償で拡張できるサービスをオプションで提供しているメーカーが大半ですが、多くは最長 5 年間までとなっています。もちろん壊れなければ 5 年以上利用できる可能性はありますが、保証プランを用意しない理由は、故障頻度とそこにかかる修理費用が現実的な価格帯を超えてしまうためだと考えます。
実際に保証期間外で実費請求をすると 10 万円で取得したパソコンでも、パーツ代金と交換代金で 5 万円かかります、という請求が当たり前に発生します。メーカー側も保守部材の長期確保の点で年間保守サービスとしての維持できる限界があり、結果的に品質を維持できる寿命として 5 年間が一つの目安になっていると言えます。

では、パソコンを快適に利用できる寿命はどうでしょうか。ここにも故障頻度が関係してきます。快適に利用できる=故障発生頻度が少ない=業務上問題無く利用できること、と仮定した場合、マイクロソフト社からのリポートによると、企業パソコンにおいて 4 年目に入ると大きく故障頻度が増え生産性が下がるという報告を出しています。
※文末のにあるマイクロソフト報告内容を参照ください。
実際に当社のレンタル品の故障発生率も 4 年を超えてくると発生頻度は高くなる傾向があり、メーカーの標準保証期間が長くても 3 年間という点に相関しています。メーカーとしては壊れる頻度が増えれば修理費にかかる持ち出しコストが増えるため、それ以上は無償では受けきれない、ということになります。(それ以降は有償保証サービスで対応)
もちろんメーカーやモデルにより断言できるものではありませんが、3 年間程度であれば故障頻度も少なく、一定の品質の中で利用できる適正期間であろうと考えます。
また近年の採用モデルとしてリモートワーク環境への対応のため、急速にモバイル型ノート化が進んでいます。特に携帯性に優れた軽量薄型モデルが人気である反面、パソコンの構造上バッテリーの取り外しができないモデルが増えています。これらのバッテリーはスマートフォンと同じリチウムイオンバッテリーが搭載されており必ず経年劣化が発生します。
スマートフォンの買い替えサイクルが一般的に 2 年程度とされている中で、長くても 3 年以内で買い替えるユーザーが大半でしょう。その判断基準としては、バッテリー劣化による駆動時間の低下や最新 OS へ対応する際のパフォーマンス不足を感じ、「そろそろ買い替えの時期か」、という体感的な部分です。ノートパソコンも同じリチウムイオンバッテリーが搭載されているため、ユーザーにとってのパフォーマンスを考えますと、3 年程度での買い替えが一つの目安であると言えます。
これらの情報を踏まえ自社のパソコンは今後何年サイクルで買い替えを行うか、を改めて考える必要があります。従業員それぞれの体感で個々に交換を依頼する体制では知らずに生産性が落ちていることも考えられますし、企業として一定の生産性を保つためにはパソコンの買い替えサイクル・期間を決めることが必要です。
パソコンは長ければ長いほど使い続けることがお得のように考えられがちですが、Windows 10 やリモートワーク時代においては従業員の利便性が大きく損なわれてしまいこれはさらにそれらが如実になってくるでしょう。市況に見合ったパソコンのライフサイクルを定義していかねばなりません。
また企業においては先進的な業務環境を求める学生や社会人はますます増えてくるため、採用活動においても最新のパソコン、IT 環境に求められる要素の比率は高まっています。
職場環境においてもテレワークができる企業、できない企業も学生が企業を選ぶ判断材料になり、筆者も採用面接や OB 訪問に携わっていますが、学生からこれらの質問も多く受けることがあり興味関心が強いと感じています。
これまでの話や今後の環境変化にも備えるため、ある程度のスペックを維持した上で、できるだけその市況に適したパソコンを調達するということが重要です。
最新のパソコン環境を 3 年程度で買い替えるのがベスト!という話になりますが、そこには大きく三つの課題があると考えており、それらを乗り越えなければ今よりも買い替えサイクルを早めるということは難しい現実があります。考えられる課題といくつかの検討策について解説していきます。

◆パソコン買い換えに潜む3つの課題

1、財務的な課題

企業の IT 導入には、財務的な視点において費用対効果が最重要視点になるはずです。それらはシステムやツールだけでなく、パソコンの買い替えサイクルにおいても同様に考えていくべきです。特にアフターコロナにおいては、業績の先行きが見えにくくなっている昨今、P/L や C/F(キャッシュフロー)を重視される企業はますます増えていくことでしょう。
現金の支出はできる限り抑え、財務面においての中長期的な運転資金の確保が必要、と考える経営者は増えていくことでしょう。特に中小企業においては、できるだけ初期費用を抑え、必要な設備においては購入から月額利用(リース、レンタル、サービスなど)を活用していくことで現金支出を抑え、当期利益への影響を最小限に抑える工夫が必要です。

2、入れ替えに発生する IT 担当者の負担増

パソコンの買い替えサイクルを短くするということは、長期的には入れ替えを行う回数が増えるということです。そこには IT 担当者のセットアップの頻度や従業員への配備に発生する問い合わせ工数も増えてしまうことが懸念されます。特に中小企業においては、情報システムを専門で担当する部署が存在する企業は少ないでしょうし、職場でパソコンに詳しい、IT リテラシーの高い社員が自身の業務と掛け持ちをしながら担当していることも多いのではないでしょうか。以下は、企業での IT 管理者が行っている、パソコン管理に発生する業務課題の一覧です。

特に赤字に関しては、IT 管理者の業務負荷が高いとされるタスクとなり、導入時と買い替え時に起こる廃棄の課題です。導入時では、パソコン自体の機種選定や OS・アプリ選定です。これらは、数あるパソコンメーカーから自社に適したモデルを IT 担当者が選定したり、あるいはユーザーの希望を把握するためにアンケートを採ったり、そもそもユーザー希望機種を購入することもあるでしょう。これらを選定時に取りまとめることも一苦労です。キッティング、セットアップ作業や搬入、データ移行など使える状態になるまでの準備も多く発生します。セットアップ作業においては、パソコンのセットアップやインストール作業を代行するベンダーが多くいますが、すべての作業をなくすことは難しいかもしれません。
パソコンの入れ替え作業が済んだら、古いパソコンのデータ消去や廃棄処分の手配が必要です。パソコン廃棄時にはデータ漏えいを防ぐために、ディスクに保存されているデータを消去する必要があります。廃棄時にデータ消去には、専用のディスク消去ツールを使うことが推奨されていますが、これらの作業は非常に時間と労力が必要となり、IT 担当者ではなく利用者にデータ作業をさせている企業もあるでしょう。
しかし近年では、そもそもパソコンのディスクにはデータを保管せず企業向けのクラウドストレージを利用することが最近のトレンドになっています。データは全てクラウドに持たせることで、故障時や入れ替えに伴うデータ消去やデータ移行作業が不要になるためです。ここでのポイントはユーザーが保存先を選択できるのではなく、全てが自動的にクラウドに保存される状態を作ることです。ユーザーが利用するデータの一部が残ってしまっては、データ移行対象になってしまいますので、データレスパソコンを実現するソフトウエアの検討をお勧めします。(データレス PC として月額提供されています。)

国内で購入したパソコンを廃棄する場合、「資源有効利用促進法」(改正リサイクル法)に基づいて各メーカーから委託を受けて、 一般社団法人パソコン3R推進協会が回収を行っています。「PC リサイクルマーク」の付いた家庭用パソコンは無償で回収が行われますが、企
業のパソコン回収は有償(パソコン 1 台あたり 3,000 円、ディスプレーは別途。図を参照)となっており、さらに回収を手配しなければなりません。

これらを回避するには、自社で資産を持たないことが大きな解決策になります。レンタルやサービスを利用することで所有者は自社でなくなるため、パソコンを返却するだけで適正に処理されます。

3、ユーザーの負担

利用期間が短くなることで故障率の発生頻度は従来よりも減り、不具合時に発生していたデータ移行などの負担は軽減されるかもしれません。新しい機種が比較的短いサイクルで配布されることで、ユーザーのメリットは多くなるでしょう。ただし、パソコンの買い替えのたびに発生するデータ移行はユーザーの負担になります。データ移行ソフトや専用プログラムが無ければ、手作業で必要なデータをファイルサーバーへ避難し、また戻すというデータ移行作業は丸 1 日業務が止まることでしょう。その点においては、先ほどのクラウドストレージを推奨します。データ移行なく、新しいパソコンが届くことで、入れ替えに発生する負担を最小化できれば、パソコンの買い替えサイクルを早めることはユーザーにとっ
てメリットの方が大きいでしょう。

◆まとめ

本資料では、パソコンの買い替えサイクルの適正期間について解説をしながら、なるべく 3年程度での買い替えサイクルを推奨する点を解説しました。しかしそこには、財務面の課題、IT 担当者の工数課題、ユーザーの課題が考えられ、それらへの対処が必要となり、特に人員としても十分な IT 管理者体制が取りにくい中小企業においては、外部リソースやサービスをうまく活用し、それをベースにした社内の運用を構築することがポイントとなります。また、データをパソコンに保持しないことで円滑なパソコン運用が可能になる点について
もお勧めポイントとしてあげました。

パソコンをサービスとして利用をすることで IT 担当者は日々の業務負担を増やさずに、パソコンの運用を含めて外部に任せる、という手段も考えてみてはいかがでしょうか。



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